こばのページ/ラテン語/主語・目的語入門

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ラテン語の主語と目的語について、簡単に入門します。ラテン語文を読んだ時に大体目的語っぽいものを判別できるようになることが目標です。

ラテン語作文ができるようになることは目標としていないので、その話は一切しません。

ラテン語の文構造について

SV(O)

S は省略されることもある。

主格・対格について

ラテン語には 5 個の格 (主格・属格・与格・対格・奪格) があり1、文章中の名詞・形容詞はすべてこれらのうちのいずれかに分類できます。これらのうちのいずれになるかによって、単語の語尾がわずかに変化することになります。

これらのうち出現頻度が高く文章の基本となるのは主格・対格の 2 種類です。この文書ではこれらにフォーカスし、ラテン語文の核が大まかに分かるようになることを目標とします。

大まかな判別方法

対格、単数

単数の場合、-m で終わっていたら多くの場合で対格です。

注意 1: -um で終わっても対格ではない場合があります。 複数属格 (「…たちの」) というパターンです。 -ārum, -ōrum のパターンは割と発見しやすいです (in saecula saeculōrum など)。それ以外の -um で終わるパターン (vīsibilium omnium (すべての見えるものたちの) など) は個別対応しかないでしょう。

注意 2: -m で終わらないのに対格である場合があります。 中性名詞と呼ばれるカテゴリーで、これらの名詞は主格と対格が**常に同じ形**です。このルールは先ほどの「単数対格は -m で終わる」という法則よりはるかに強いです。

対格、複数

複数の場合、単数の場合より区別が難しいです。-ās, -ōs, -ēs あたりの語尾で区別しましょう。幸いなことに頻度もそんなに多くないです。

注意: -ās で終わるパターンには抽象名詞の -itās で終わるパターンがあります。(英語の -ity に相当。) これらは全然複数対格ではないので注意しましょう。

主格

色々な形をとります。辞書に載っている形なので、見かけた時に辞書で調べることは比較的簡単です。

以下に、主格の単数形と複数形を載せます。英語でもこのような複数形になる単語があるので、馴染みのある方もいらっしゃるでしょう。

  -us -a -um その他
単数 -us -a -um その他
複数 -ae -a -ēs

例です。

  -us -a -um その他
単数 focus, alumnus formula, alumna stadium index, vertex
複数 focī, alumnī formulae, alumnae stadia indicēs, verticēs

主格、単数

-us, -a, -um は言うに及ばず、さらに -s とか -x で終わっていたら主格です。ただし -is で終わっていたら主格でないことの方が多いです。

  1. これら 5 個の格に加え呼格も含めて 6 個とみなすこともあります。しかし呼格はほとんどの場合主格と同じですので、ここでは 5 個ということにします。 

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