ラテン語の命令形には単数・複数の 2 通りがあります。
Exsultate Deo, O vos omnes, O salutaris Hostia を例にして説明します。
使われている単語をまとめます。なおアクセントのある位置は太字で示しています。
| 命令形(単数) | 命令形(複数) | 意味 | 原形 |
|---|---|---|---|
| attende | attendite | 注意を払え/向き直れ |
attendō |
| būcinā | būcināte | 吹き鳴らせ |
būcinō1 |
| da | date | 与えろ |
dō |
| exsultā | exsultāte | 喜べ |
exsultō |
| fer | ferte | もたらせ |
ferō |
| jūbilā | jūbilāte | 叫べ/喜べ |
jūbilō |
| sūme | sūmite | 始めろ/取れ |
sūmō |
| vidē | vidēte | 見ろ |
videō |
-te で終わると多くの場合で複数に対する命令形、そうでない場合は単数に対する命令形です。Exsultate Deo や O vos omnes では複数に対する命令文だけで詩が構成されています。
たとえば āverte (そらせ) や converte (向けろ) の -te は複数形ではありません。
(あなたは) あなたの目たちを私からそらせ。(あなたは) それらのあなたの慈悲深い目たちを私たちへと向けろ。判別方法ですが、複数形の命令形はほとんどが -āte, -ite, -ēte で終わるので、それである程度の判定はできます。完璧に判定したければ辞書を引くしかないでしょう。
命令形 と呼んでいたものは正式には 命令法・能動態・現在 です。buccino という綴り (c が 2 個重なる) もあります。辞書に載っているのは c が 1 個 (bucino) ですが Exsultate Deo では c が 2 個の綴りが使われています。 ↩